ブログ~多様性の小径~


脱原発世界会議in横浜〜宮台真司氏のメッセージより

脱原発世界会議in横浜

2012年月14日(土)15日(日)と、パシフィコ横浜で、上記の会議が開催された。
初日は6000人、2日目は5500人の人手で賑わい、若い層もたくさん参加したそうだ。
海外ゲストも30ヶ国から参加し、バングラデシュからは、ドキュメンタリーの映画監督、ダンビール・モカメル氏が参加した。
私は、当日腰痛で参加できなかったが、uーstreamでの配信があり、
パソコンからそのテレビ中継を見させていただいた。

15日の夕方のセッション
「首長会議:地域発・原発に頼らない社会のつくり方」の後半を見た。
そこでは、元の東京都国立市市長の上原公子氏がモデレーターとして登壇されていた。

そのセッションでは、最後に、上原氏から、
脱原発・市区町村長ネットワークを立ち上げないかという提案がなされた。
が、同時に、登壇しておられた、三上元氏(静岡県湖西市長)からも、
登壇されていた他の地方の首長さんの方々へ、
同様の提案を書いたお手紙が配られていたという。

ハカラズモ、偶然の一致である。

登壇していた世田谷区長の保坂展人氏も、
市町村ではなく、市区町村のネットワークとして、
ぜひ、自分もそのネットワークに入れて欲しいと発言していた。
つまり、地方の首長さんの想いには相通じるものがあるということだろう。

補助金・財政面で、原発立地を余儀なくされている地方の首長の皆さんが、
脱原発に向かえば、一機に、問題は転換すると思われる。
おおいに期待したい。

原発立地を抱える地方の苦しさ

しかし、同時に、会場のTV配信のコーナーでは、
キャスターの女性の方が、
地方から参加した運動家とみられる初老の男性にインタビューをしていて、
その男性は、次のように指摘していた。

「脱原発世界会議」がこのように、東京や横浜の主導で、
世界も巻き込み、盛況なのはいいが、
原発立地を抱える地方の地元での運動を活性化することが、
何より重要であると、指摘したのである。

地方では、地域特有の人間関係のシガラミの中、
本当の自分の意見や、素直にモノが言えなかったりする土壌ができてしまっている。

たとえ、原発立地に反対する住民が沢山いても、
首長選で、原発誘致や原発再稼働に賛成する立候補者に対して、
対抗馬を選出するには至らないケースが多いというのだ。

つまり、原発に関して、タブーというか、議論をオープンにできない、
凝り固まった空気ができてしまっているのだそうだ。

祝島の例は、
脱原発に向かって、村民が一致協力し成功してるコミュニティーであるが、
他の地方では、問題はそうそう簡単では無いようである。

ここまで聞いてきて、ダム反対運動にも同じような苦しみがあったことを
私は思い出した。
ダム建設に反対すると、村は二分され、
その運動は、コミュニティーの人間関係に子々孫々にまで影響を及ぼすという。

つまり、ダム問題よりももっとシビアな感じで、
原発問題については、同じ市町村の中で立場が二極化され、
合意形成や民主主義の仕組みがうまく働かないのである。

それを、どうしたらいいか?
閉会イベントに登壇した、宮台真司氏(社会学者)の
コメントが、WEB上にUPされていたので、ここに再録しておきたい。
氏は、自分たちを自分たちがステアリングする「自治」の重要性を説いた。

「原発をやめられない社会をやめること」

以下は、宮台真司氏の脱原発世界会議 2012.01.15 での発言である。

ぼくはここでですね、

「原発をやめること」にあわせて、
「原発をやめられない社会をやめること」

を、提案したいと思います

ー拍手ー

何故ならば、その原発をやめられない理由は
原発が技術的に合理的だからではありません。

原発をやめられない理由は、巨大電力会社の地域独占供給体制を維持するためです。

具体的に言うとこういう事になります。

日本の政治は今、大変に問題を抱えていますね。
日本はですね、どこの先進国よりも最も少ない公務員の割合です。
どこの先進国よりも最も低い福祉予算の割合です。
ま、アメリカと並ぶぐらいですね。
そして、どこの先進国よりも、最も政府の債務、借金。
GDP比でいうと、これが最も高いんですね。

それは何故かというと、未だに補助金行政をやっているからです。
補助金行政とは何かというと、特別措置法を作り、特別会計を確保し、
金をばらまくために特殊法人を作って大量の天下りの座席を確保し、
そしてこれを業界にばら撒くんですね。

で、業界はまるで餌をねだる金魚のように口をあけて補助金を待っている。

これは金の切れ目が縁の切れ目ですので、縁が切れると天下り先も無くなりますから、
役人たちは特別措置法の延長、延長、延長。
その結果、
特別会計は国会の審議を経ないで固定された予算になってしまっているんですね。

で、実は原子力もそうした流れの中にあるわけです。
つまり、自分たち、私達が、原子力発電をやめられない理由は、
日本の政治が病的な状態にある理由と殆ど同じだというふうに断言して差し支えありません。

脱原発、自然エネルギー化はですね、
これは「エネルギーの共同体自治」の問題です。

それはちょうど、スローフードが「食の共同体自治」の問題であるのと同じです。

ところが日本では残念ながら、スローフードというと
オーガニックな物を食べる事やトレーサブルな物を食べることという具合に
食材選択の問題に切り縮められてしまっています。

放っておくと日本における脱原発もスローフードと同じように
単なる電源選択の問題に切り縮められてしまいかねません。

簡単に言えば、
「巨大電力会社さんよ原子力はもうやめて集中太陽発電にして下さいね」とか
そういう話ですね。

しかしこれでは残念ながら、自然エネルギー化するべき、本質的な理由、
あるいはヨーロッパの国々が自然エネルギー化を通じて、
達成させようとしている社会のしくみ
そうしたものに、我々は永久に到達できないまま、
オーガニックな物を食べるために巨大スーパーに依存し、
自然エネルギーを使うために巨大電力会社に依存し続けることになります。

この依存体質が変わらない限り、
今度は原発事故という形を取るかどうかは分かりませんが、
やはりまた、同じような大災害を、我々はまた、経験する事になるでしょう。

なので、脱原発自然エネルギー化の問題は、
私達が巨大システムにお任せするのをやめて、
自分たちで自分たちをステアリング出来るような自治の社会を実現することと、
表裏一体であるという事をですね、
お話ししたいと思いました。

以上です
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宮台真司(ミヤダイシンジ)氏
1959年宮城県生まれ。東京大学文学部卒、東京大学大学院博士課程修了。
社会学者(社会システム論)。首都大学東京教授。
政治からサブカルチャーまで、多岐にわたる分野を研究。
大胆かつ鋭い分析によって、さまざまなメディアで活躍する。
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身の丈に合った生き方を

3.11の原発の事故は、私たちにどう未来を選択するのか、
を迫っているのだと、思います。

民主主義の問題、
右肩上がりの成長を疑わない経済志向、
トップダウンで決められる様々な行政課題、

それに対して、新しいコミュニティーを担う市民の存在が必要だと思います。

中野民夫さん(ワークショップ企画プロデューサー・4月からは同志社大学教員)は、
2011年6月に清里で行われた、あるワークショップの中で、
地縁・血縁に代わる、新たな関係性として、「志縁」を挙げています。

また、2011年12月10日に開催された、
「Listenいわき」と「原発と私たちを考える勉強会」(シャプラニール・ボランティア有志主催)の共同企画のワークショップの最後のまとめの発言では、
福澤郁文氏(グラフィックデザイナー・NGO「シャプラニール」創始者)は、
「ショミティ」(バングラデシュの村の相互扶助グループ)の存在を挙げていました。

つまり、これからは、新しい住民主体の生き方を、
市民一人ひとりが、選択する必要があるのだと思います。
それは、決して、楽な選択ではないかと思いますが、
身の程を知って、賢く貧しくなって行く道もあっていいのだと、私は思います。

3.11は、私たちにいろんなことを問うています。
そして、私は、自分ができることで、
突き詰められた問いを引き受けて行きたいと思います。

まずは、2月11日〜12日に、「Feel いわき」の企画に参加し、
福島県いわき市の被災地に行って、現地を知って感じてみます。
http://www.shaplaneer.org/listen/feel_iwaki.html

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